汐街コナ【「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)】感想:真面目な人こそ目を通してほしい一冊

汐街コナさんが昨年Twitterへ投稿した内容に加筆した【「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)】を読んだ。

□内容紹介

Yahoo!ニュース、アゴラ、グノシー、スマートニュース、
ダ・ヴィンチニュース、ほんのひきだし
FM FUJI「GOOD DAY」にて紹介され話題沸騰!

仕事に追われるすべての人へ。
その仕事、自分の命より大切ですか?

●これ、まんま私のことだ。

●この漫画は命の恩人です。ありがとう。

●涙が自然と流れてきて止まりません。

と、Twitterで30万リツイート!
この漫画で助けられた人続出!

NHK、毎日新聞、産経新聞、ハフィントンポストでも紹介された話題騒然の過労死マンガを書籍化しました。
精神科医・ゆうきゆう(『マンガで分かる心療内科』シリーズ)が監修・執筆を担当し、
過労死・過労自殺する人が「死ぬくらいなら辞めれば」ができない理由をわかりやすく解説しながら、
仕事や会社に追いつめられている人がどのようにすればその状態から抜け出し、
自分の人生を大切にするための方法と考え方を描きおろしました。

また、過労やうつ状態から抜け出して幸せになった人を取材して描きおろした「実録! ブラックな状況を抜け出しました」も収録。
もうあのような過労自殺の事件を繰り返したくない。
現代日本で働くすべての人に必読の1冊です。

電通の過労死事件、入社日に”懲役40年”がTwitterのトレンド…定期的に仕事や会社に関するネガティブな話題を聞こえてくる。

こういう話題を聞く度「嫌ならやめればええがな」と考えてた。転職、退職するのが面倒なんでしょ?と。しかし、冒頭箇所の掴みで少し考えが変わる。

過労死と聞くと
「死ぬなら辞めればいいのに」
と思う人も多いでしょうが

その程度の判断力すら失ってしまうのが
ブラックの恐ろしいところなのです

次ページに、真面目な人ほどブラックから抜け出す道を自ら(ムリと)塗りつぶしていき、どんどん思考力が奪われ視界が狭くなり最後は。。。という部分を見てゾッとした。(イラストはコチラ

それは、【思考力が奪われると、逃げる方法も考えられなくなる】に該当する友人、知人を数名知っているから。その人達はSOSを発信するのが下手な一方、周囲の評価は真面目、頑張り屋、大人しいと悪くない(心配しない)ため、表向きは問題ない社会人として生きている。

表からでは分かりづらいからこそ、裏で逃げる方法や別の道をムリと塗りつぶしているのだろうか?と考えてしまった。

企業がホワイトかブラックかのジャッジは人によって異なる。日々パワハラをしてる人にとってはホワイトだろうし、辛いと思えばブラックだ。性格や捉え方でも違う。

私は今まで「俺の会社ブラック企業でさぁ」 とボヤいてる人達を冷めた目で見ていた。生活のお金を貰ってるくせに、会社辞めたら路頭に迷うだろうにと。今もその考えは多少あるが、こうした「ブラックでさ‥」というボヤキはSOSの初期サインなのかもしれない。

自分の物差しで人の悩みを測ってはいけないと、改めて考えさせられた。

救いの手は遠い存在

ブラック企業にどっぷり浸かっていても、「この会社おかしい」「会社へ行くのが辛い」「抜け出さないと」と考えられるなら、改善の余地は十分にある。

問題は本書の冒頭にあるように、転職や退職の道を自ら断ち、視界が極端に狭くなってる人。近い存在の助言やサポートは素直に受け入れ難いので、こういう本やネット、近い存在ではなくカウンセラー、久しぶりに会う知人の助言で「このままではマズい」と気付いてくれればよいが、決して簡単なことではないだろう。

この本で会社や仕事の悩み全てが解決するとも思わないし、そもそも完全に解決することはない。それでも、過労で危ない状態の人、今が余裕でも不安を感じる人は見ておいて損はない。