勝つことに慣れすぎてコンプレックスを抱く「勝ちコン」という病を患ったモテ男

世の中には恋に事欠かない男が数多く存在するが、私の知ってる範囲では、地元の同級生柴山君(仮名)以上の漢は知らない。

モテの象徴とも言うべき【ルックス】【面白さ】【スポーツ万能】の全てを持ち合わせ、その才能を遺憾なく発揮した高校時代、柴山君の隣にはいつも女性の姿があった。

悔しくないと言ったら嘘になる。多感な時代に非モテ街道一直線を歩んでいた私は少しでもモテようとファッション雑誌を買い漁り、髪を染めて整髪料も付けたりしていた。しかし、そんなことでモテることはなく、ただただ自戒のジーを一人行う日々。気付けば差はどんどん開いていった。

成人式。数年ぶりに会った柴山君は変わらずにイケメンでプライベートの充実が伺えた。夜の飲み会では席が隣になり、気になったことを思い切って聞いてみる。「で、柴山君は今まで何人ぐらいと付き合ってきたの?」。

予想は10人。

学校が一緒だった中学時代は恐らく”付き合っている”という設定だけでナニもしておらず、交際らしい交際は高校生になってからだろう。駅周辺を美女と歩く姿を何度か見かけているので、高校時代に6~7人。その後成人式までにさらに2、3人で大体10人。悪くない予想だ。しかし、柴山君の口から信じられない数字が出てきた。

「25人くらいかな?中学時代合わせると27人ぐらい?」

25~27人!?

とんでもない数字だ。人には2つのパイパイが付属しているので、2×25=50パイをミーモ-してきたのか?昔に比べて唇が分厚く感じるのは吸い過ぎた影響だろう。柴山君が美人の生パイを味わってる間、こちらはお菓子のパイの実。分かっていたことだが、両者の間には埋めようがない差があることを改めて痛感させられた。

ふと、交際相手が被っている時期はないのかな?ということが気になった。柴山君に確認すると「まあ、数回はあるよ…」と突如トーンが低くなる。続けて「なかなか難しいんだよ(苦笑)」。

難しい意味を理解できずにいた。繰り返すが柴山君と私では揉んできたパイの数が違う。難しいもなにもないだろうにと。しかし、その表情からはモテモテライフを満喫しているようにも見えない。もう少し深く掘り下げてみた。

間違いない事実
・女性にモテる
・面白い
・根はいいヤツ
・スポーツ万能

疑うべきこと
・物凄い飽き性
・竿が短刀過ぎて満足させられない
・前半が異様に長い
・最後は顔に出すことに執着してしまう
・「一緒にぃ~!一緒にぃ~!一緒にぃぃ~~~~~!」を望む女性ばかりを相手にしてきたが、一緒に終えられた経験0

上記の材料は全く役に立たないので、シンプルにこう考えてみた。

苦悩の正体(結果)
一人の女性と交際開始

他の女性が輝いて見える

乗り換え

以下ループ

で合っているだろう。

世間一般では妬みの対象になりやすいヤリチン。彼らは狩猟民族そのものであり、手にした途端に次の獲物を狙う習性がある。羨ましい限りではあるが、デメリットを考えると、一人の女性を真剣に愛すことができない病なのではないだろうか?

世の中には幾つものコンプレックスがある。ファザー・コンプレックス、マザー・コンプレックスが代表的だが、柴山君の場合は勝ちすぎることによるコンプレックス、通称「勝ちコン」という答えに辿り着いた。

言葉としては既に婚活などで「勝ち婚」なんて使われてるが、「勝ちコン」は違う。患っている本人に自覚がなく、多くの人を踏み台にしている。かといって指摘した途端に『嫉妬ワロタwww』という烙印を押されてしまう。また、格安スマホのような乗り換えやすさで次々に別の女性と付き合う勝ちコンの末路して婚期を逃す傾向にあり、幾つになっても「あの人格好よくて仕事できるのになんで結婚できないんだろう?」という見られ方をされてしまう。

あの時の柴山君の表情を考えると、本人も薄々気付いていたのだろう。色々考えた結果、【勝ちコンと秋の空】というしょーもないことわざが浮かんだが、皮肉を言うべきではないと判断して助言は控えることにした。

約10年後、柴山君とFacebookで繋がることになる。柴山君は昨日紹介した大倉君と仲が良く、度々楽しそうな様子がアップしていた。それ以上驚いたのが、既に柴山君が結婚していたこと。やたらと奥様の画像にタグ付けされており、そのタグ付けの裏にある”このイケメンはアタシの旦那!絶対に渡しません!”という奥様の力強さ、傲慢さ、心の弱さを感じずにはいられない。

それにしても…なぜあそこまで女性を取っ替え引っ替えしていた勝ちコンが勝ち婚になったのだろうか。憶測の域を出ないが、奥様が大変優秀な技術者だったという説もある。大蛇のように絡みつくアレの持ち主で毎回延長戦を戦えるタフガイであり、ご当地駅弁の伝道師であり、ローション不要の梨汁ブッシャーがハンパないなど。いずれも勝ちコンを勝ち婚にさせたテクニックが群を抜いて柴山君も抜いたのではないか?というソッチの話だ。

同時にホッとした気持ちもある。若かりし頃の恋愛を続けていれば勝ちコンからオワコンになっていただろうし、NTR系の作品を見る老後が待ち受けていただろう。それが回避された今、床上手な奥さんと汁っ気100%の幸せを築いてもらいたい。

結婚していたことなど最近の情報は全てFacebook経由で知った。昔は遊んでいたが今は連絡先も知らないし会う気もない。しかし、かつて同じ小、中学校に通い、エロ本をカンパして購入して共有した旧友だ。一度ぐらい直接会って近況報告を聞いたり、不要になったDVD、JK本を渡したいところである。例え本人の好みが熟女に変わっていようと。

既に熟女好きになったと噂される大倉君同様に再会のチャンスはある。それは、今夏に地元で開催される可能性のある熟女好き同窓会だ。スクールカーストでいう底辺の底辺にいた私にとっては参加ハードルが高く、また年々ロリコン具合も加速している影響で、参加しても「どちら様でしょうか?」と言われるのがオチ。それでも再会のチャンスを逃す手はない。

柴山君に会わずに15年以上が経過した。柴山君は一般ピープルのパイ、私は身銭を切ったビジネスパイと、掴んだパイの実の質はだいぶ異なるけど、同時代に共にパイの実を目指した戦友として、このチャンスを活かしたい。詳細は開催されたらのお楽しみで。

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