柴那典【ヒットの崩壊】ヒットの法則が変化しているのは音楽業界だけではない

柴那典さんの【ヒットの崩壊】を読みました。

「今年の歌」が分かりくい日本の音楽業界。

年末の特番では過去の歌やコラボが多く、CDの売れ行きも90年代に比べると落ちている。オリコンの年間トップ10にランクインしてるのはAKB48、乃木坂46、嵐のみ。

2016年 オリコン年間のCDシングルランキングトップ10

1位 翼はいらない(AKB48)
2位 君はメロディー(AKB48)
3位 LOVE TRIP/しあわせを分けなさい(AKB48)
4位 ハイテンション(AKB48)
5位 サヨナラの意味(乃木坂46)
6位 裸足でSummer(乃木坂46)
7位 I seek/Daylight(嵐)
8位 ハルジオンが咲く頃(乃木坂46)
9位 復活LOVE(嵐)
10位 Power of the Paradise(嵐)
引用:オリコン年間 CDシングルランキング 2016年度 | ORICON NEWS

となると、他の歌手は売れてなくて音楽業界は不景気?と考えてしまいがちだが、決してそうではない。

現在はフェスやライブ、ストリーミング配信サービスなど、収益源が多様化されたことで、CDのセールスに頼る時代ではなくなった。本書でも書かれてるように【所有からアクセス】に変わったと考えるべき。

勿論、こんな時代でもミリオンセラーを出す秋元康も当然凄い。(少し逸れるが、乃木坂46の歌詞を秋元康が考えたと思うと何とも言えない気持ちになって眠れない夜がある)

音楽業界だけじゃない

【ヒットの崩壊】を読んでグラビア業界のことを考えた。音楽業界とは違うが、グラビアの世界も時代に合わせて変化している。

90年代のグラビアの演出は今よりずっとシンプル。シンプルな水着にシンプルな表情、ビデオも過激な演出はなく、強いて言えば浜辺を走るシーンぐらい。(そう考えると武田久美子が披露した貝殻ビキニは例外)

それが今では18禁との境界線が非常に曖昧になってきている。

過激なポーズ、面積が小さ過ぎる水着、父の頂点をあえてポッチ、あれ?もしかして男?と思われる大きな手で父のマッサージ、バナナやアイスを”それらしく”召し上がる技術者まで現れてしまった。

嬉しくないといえば嘘になる。しかし、エロが近くなったことで、若かりし頃に感じた「ありがたみ」が薄れてしまっているのも事実。

写真集を買う動機

CDに続いて2016年のオリコンの写真集ランキングを見ていくと、ここでもAKB48と乃木坂46のメンバーが多数入っている。

2016年 オリコン年間の写真集ランキングトップ10

1位 西野七瀬写真集 風を着替えて
2位 広瀬すず PHOTO BOOK『17才のすずぽん。』
3位 生田絵梨花 1st写真集「転調」
4位 乃木坂46 セカンド写真集 1時間遅れのI love you.
5位 AKB48総選挙! 水着サプライズ発表 2016
6位 指原莉乃写真集 スキャンダル中毒
7位 渡辺麻友写真集『知らないうちに』
8位 AZZURRO 特別限定版
9位 深川麻衣ファースト写真集『ずっと、そばにいたい』
10位 みんなの山本彩
引用:乃木坂46・西野七瀬、接戦制し年間“写真集女王”獲得 女性ソロ1位は7年ぶり | ORICON NEWS

乃木坂46とAKB48(山本彩含める)が共に4冊ずつランクイン。残りは広瀬すずと岩田剛典で、グラビアアイドルは一人も入っておらず、CDランキング同様にAKB48と乃木坂46がジャックしてる。

ランキングを振り返ってみると、1位に輝いた乃木坂46の西野七瀬は決してナイスボデーの持ち主ではない。他のランクインされた人を見ても、キョヌーは山本彩ぐらいで、その山本彩の本もセクシー要素は限りなく0。

つまり「◯◯ちゃんのタヌマが見てえ」より「◯◯ちゃんを見たい!」という動機で購入してる人が多い。そこにあるのは昔からある「ありがたみ」だと考えてる。

今後の形

CDのセールスだけじゃなく、フェスやライブでも収益を上げるのが今の音楽業界だが、グラビアの場合はどうすればいいか?従来のまま出ては消えてでOKな人もいるだろうが、多くは「長く活躍したい」という気持ちだろう。

バラエティ番組は天然、おバカ、毒舌、ハーフでタレントの席は埋まりつつあるので、ネットやリアル(イベント)を中心に活躍の場を広げていくのが現実的か。

既にシフトしてる人もいる。例えば藤田恵名。

自ら「シンガーソングラドル」と名乗り、音楽活動とグラビア活動の2つを両立。(失礼ではあるが)音楽だけ、グラビアだけなら厳しいだろう。2つを両立させたことで、新たな道を切り開きつつある。

そして倉持由香。ほぼ全ての写真で尻をアピールし、Twitterでは「尻職人が◯◯時をお知らせします」というネタで人気だ。倉持由香はパインもペチャで顔も飛び級に可愛いわけではない。

しかし、彼女には尻がある。尻を見せる=振り返る姿勢になり、表情が半分ほどしか見えないのがポイント。強みは最大限に弱みは控え目に。

「昔ならな…」で止まるか。
「なら、こうしてみよう」と動くか。

一年後の成功を想像すると日々の地味な作業に取り組むことができる。
〜 by 本田圭佑 〜

まとめ

秋元康とシュシュ